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CAを辞めたいと思った5つの理由Part2
②不規則な生活による身体の変化
私が働いていた外資系の航空会社は、まず国内線国際線の区別がなく、新人キャビンアテンダントもベテランキャビンアテンダントも関係なくほとんどランダム(厳密に言えば新人とベテランの区別もあるし、ランダムのようできちんとしたルールもありますが)にフライトが割り振られます。
夜中から朝にかけて往復7時間のフライトをこなしたすぐ後に片道10時間超えのロングフライトがはいったり、日帰りパターンのフライトが連続で入ったりとスケジュールもフライト先もばらばらです。短期間での気圧の変化や時差に体がついていかず、体調を崩している同僚もたくさんいました。ただでさえ慣れない海外生活。病院や薬も日本とは事情が違います。一度身体を壊してしまうと悪循環に陥りかねません。
日系の航空会社だと初めの間は国内線メインで飛ぶため、4勤2休と勤務体系が決まっています。それが決まっていると、ある程度自分の中で先を見通したスケジュールを立てたり、生活リズムを整えたりしながら徐々にCAとしての働き方だったり会社の環境に慣れていく事ができます。
それでも気圧の変化や、深夜から早朝にかけての変則的な仕事は精神的にも肉体的にも消耗されると思います。実際、飛行機に乗ると、気圧の変化や時差ボケによる睡眠不足、サーカディアンリズムという体内時計の乱れによりホルモンバランスが崩れてしまうため、生理不順に陥ることも多いのです。
1回2回のフライトでは大丈夫であっても連日のフライトにより生理不順に悩む方や気圧の変化で航空性中耳炎を発症し、人によってはドクターストップがかかることもあります。私は航空性中耳炎にかからなかったのですが、周りには慢性的な航空性中耳炎に陥り、CAを辞めることを余儀なくされた方もいらっしゃいました。
生活環境が日々変わる職場で働きつづけることは想像以上にタフです。もちろん、耐えることができないわけではありませんが、長期的に就業することは不安でしかなかったのです。
③職場の人間関係によるメンタルの変化
更にメンタル面でも、毎回一緒にフライトする人が変わるため、同じ路線でもメンバー次第で就業環境は大きく異なります。同僚と良く言っていたのが、お客様とのやり取りより、クルー同士のやり取りのほうが気を遣うということです。すばらしいクルーに恵まれたフライトは、どんなに対応が難しいお客様がいたとしても最高のフライトとして終わる事ができます。
それは逆もまた同じことです。何度か連続して人に恵まれたとはいえないフライトを経験すると、徐々に仕事に行くのが辛くなってきます。すっきりしない気分のまま乗務すると、決まって機内でもトラブルに巻き込まれたり、逆に同僚を巻き込んでしまうこともあります。
某内資系航空会社は、聞くところによると、かなり体育会系な文化で、先輩への気遣いでお客様とのやり取りどころではない、ということもあるそうです。実際に、飛行機に乗って、パーサーのご機嫌を伺っているCAの姿を見ると、心が痛くなってしまいます。
私がいた外資系航空会社は体育会系ではないものの、1万人にも及ぶ職員がいるので、変わった人も多いですし、そのような方と長距離のフライトを協力してやり遂げないといけないことは、正直ストレスになりました。
④海外で住み続けたくない
これは入社する前に覚悟していたことではありますが、家族や友人と離れ、この仕事をし続けるために海外で暮らしていくのは、私にとって理想的とは言えませんでした。
海外で生活することに抵抗はありませんでしたし、海外での生活は満喫させてもらっていました。会社が借り上げていた社宅のマンションにはプールがあったり、小さなショッピングセンターもありました。同僚も同じマンションに住んでいるので、休みの日はプールに入ったり、ジムに行ったりと充実した日々を送ることができました。
それでも、やはり日本に勝る国はないと思います。ルールだらけで多少住みにくいと感じることはあっても、安全が保証され、ご飯も美味しいのです。
⑤CAになることが目標で、CAになった後のことは考えていなかった
これはCAになりたくて、努力してついに夢を叶えた!という人の多くに当てはまると思いますが、CAになることが最大の目標になってしまい、その目標に到達した後、何か物足りなさを感じてしまう、所謂、燃えつき症候群です。入社後すぐは厳しい訓練や新しい生活に追われ、そんなことを考えている暇はありませんが、乗務を始めて慣れてきた頃にふとやってきます。
CAという仕事は、国内線・国際線やエコノミー・ビジネス・ファーストといったような違いがあるものの、身につくスキルや求められる経験のレベルは2年ほど経験すると頭打ちになってしまいます。もちろん、ホスピタリティーに終わりはないので、ホスピタリティーを磨き上げると、見えてくる世界も変わるのかもしれません。
しかしながら、私の場合、ホスピタリティーを極めるという目的でCAになったわけではなかったので、仕事上で目標を設定することができずに、毎回ルーチンワークを行うことに疑問を感じるようになりました。
前回の記事で記載した内容と重複してしまうかもしれませんが、私のようにCAになることが目標で入社した人はこの現象に陥ることが多いのではないでしょうか。その他にも下記のような理由でCAを辞めたいと感じる方がいるようです。
- 給与と業務のハードさが見合わない
- 女性ばかりの職場で人間関係がツラい
上記のように、退職理由は人それぞれだと思います。
- 積み重なるものがなく同じことの繰り返し
- 不規則な生活による身体の変化
- 職場の人間関係によるメンタルの変化
- 海外で住み続けたくない
- CAになることが目標で、CAになった後のことは考えていなかった
私は上述した5つの理由から、客室乗務員という仕事を辞めることを決断し、新たなキャリアを築くと誓ったのです。
通常、どんな企業で働いていても辞めたいと思うことはあると思います。その辞めたいと思う事自体は普通だと思います。しかし、退職理由は妥当なものと妥当ではないものの2つに分かれます。
私がどのような経緯でCAになり、退職を決断したか話してきましたが、次回より、本題である転職活動に関する事をお話したいと思います。