第8ステップ「内定承諾する前に行うべきこと」
- 退職理由を整理する
- 転職後にやりたいことのイメージをする
- 求人を探す(目星をつける)
- 複数の転職エージェントに登録する
- 履歴書・職務経歴書を作成する
- 転職エージェントの面接対策を受ける
- 面接を受ける
- 複数社から内定を獲得し、1社に絞込む←今回はココ
- 複数社から内定を獲得する
- 内定条件で確認すべきポイントを知り、実際に確認してみる
- 実際に働いている人に話を聞いてみる
- 一度冷静になってみることで、内定先に対して過度に期待しないように調整する
①内定は必ず複数社からもらうこと
内定先は必ず複数社もらってから、厳選して承諾先を決定することをおすすめします。内定承諾先を選択するということは、自分の人生にとって重要な選択になるわけなので、容易に決めることはできません。そのため、内定先は少なくとも3社ぐらいはあった方が良いと思います。一方で多すぎても選択することにストレスを感じてしまうため、多くても5社ぐらいにしておくことをオススメします。
また、選択肢が1つしかないと、その選択肢の良い面しか見えなくなり、実際に入社してみると悪い面が見えてくるのです。これが入社してすぐに辞める短期離職を生む一番の理由です。選択の幅をある程度広げて、余裕を持って選択することは転職先を決定するにあたり大切なことなのです。
②条件の最終確認する
通常、内定を獲得すると内定通知書や労働条件通知書が発行されます。そこには入社時期、給与、休日といった基本的な労働条件が記載されています。その条件を元に内定を承諾するか判断します。人事担当者や転職エージェントが口頭で説明した労働条件を信用するのではなく、あくまで通知書に記載された情報を元に判断することが大切です。
内定通知書と労働条件通知書は似て非なるものです。内定通知書は記載事項を企業が自由に決めれますが、労働条件通知書は記載事項が労働基準法にて定められております。また、労働条件通知書は雇用契約成立までに用意する必要がありますが、内定通知書は企業が発行することを法律で義務付けているわけではありません。
上記の通知書を発行してくれない会社も極稀にありますが、そのような会社に入社することはオススメしません。採用企業は一定の条件下において内定を取り消すこともできますが、内定通知書を開示したタイミングで、労働契約が成立したものとみなされます。通知書が発行されないということは、企業はどのような条件でいつから雇用しないといけないかという義務を追わなくてよいということになります。つまり、内定をもらった求職者は、いつ内定を取り消されても、口頭で伝えられていた労働条件が実際に変更しても、文句の言えない不利な状況に陥ってしまうのです。
通知書で確認しておくべき項目
通知書で確認しておいた方がよい項目をリスクを踏まえながら説明していきます。※ただし、あまり細かく見すぎて、一つ一つを採用担当者に確認しすぎると、心象が悪くなってしまう可能性もあるで、ここだけは外せないと思ったことに絞って確認するようにしてくださいね。
- 労働契約期間(※有期雇用の場合は更新するための条件や基準を記載する必要あり)
- 就業場所
- 業務内容や職種
- 始業終業の時刻(残業の有無)
- 休憩時間・休日・休暇
- 賃金、賃金の締切り及び支払時期に関する事項
雇用契約期間が無期限か有期限かは、絶対に確認しなければならないことです。正社員だと思って入社したら、実は契約社員だった!なんてこともありえます。
就業場所も意外と重要で、口頭で東京配属ね~と言われていたのに入社直前に「やっぱり大阪配属になりました」なんてことはよくあることです。就業場所が明記されていない場合は入社するまで配属先が変わる可能性があるので、しっかりと書面に明示されるまで信用してはいけません。
労働条件通知書には自身が従事する業務や職種についても記載されております。営業事務と聞いていたのに、業務内容に営業が含まれているといったケースもあります。意図しない業務内容が含まれている場合は、必ずその理由を確認することをオススメします。
始業・就業時間の記載にも気をつけないといけないポイントはあります。休憩時間を除く定時時間が8時間を超えている場合、もしくは休憩時間が2回ある場合です。
▼休憩時間を除く定時時間が8時間を超えている場合
例えば、始業時間が9時、終業時間が19時、休憩時間が1時間の場合、1日の所定労働時間(定時時間)が9時間となり、労働基準法が定める所定労働時間である8時間を超えていることになります。このような制度を設けている会社は社長が馬鹿でワンマンブラック企業なので、論外だと思って構いません。
▼休憩時間が2回ある場合
例えば、始業時間が9時、終業時間が19時、休憩時間が2回で合計2時間、2回目の休憩は17時半からという会社です。こういう会社の大半は2回目の休憩はありません。休憩を挟んだことにして所定労働時間を8時間にしているだけなのです。残業前に休憩を挟むのであれば法律に準拠した制度なのでいいのですが、終業時間前に休憩を強制させる会社は慢性的なオーバーワークの会社である可能性が高いのです。そのため注意が必要です。
年間休日日数や休日の制度は絶対に確認しておくべきです。特に休日の制度に関しては、注意して確認する必要があります。週休2日制と記載されている場合は完全週休2日制なのか隔週週休2日制なのか確認するようにしましょう。
一般的に週休2日という言葉を聞くと、1週間で2日休みがあるんだと思いますが、実際は2週間に1回は1日休みで、残りの1回が2日休みの可能性もあります。前者を完全週休2日制と呼び、後者を隔週週休2日制と呼び、いずれも週休2日制という表現を使っても良いことになっているからです。
給与に関する記載で気をつけなければならない点としては、みなし残業(固定残業)制度です。この固定残業という制度は本来、毎月30時間ぐらいは残業してるから、最低30時間分の残業代は残業を一切しなくても支給するよ!もし、30時間超えたらその分、別途支給するからね~という制度です。
この制度を悪用する会社があります。過労死事件で問題になった大手飲食チェーンのワ◯ミさんとかは月給20万2100円の中に、127時間分の「深夜みなし手当」3万円を含めていたことで問題になりましたが、みなし残業代にふくめる残業時間の上限は45時間程度で、それ以上にすると労働基準法に反する可能性が高まります。
ワ◯ミさんは論外なのですが、このみなし残業制度を悪用する会社は多いので、みなし残業制度を導入している会社の場合、みなし残業時間が45時間を超えてないか?みなし残業時間を超えた場合別途支払われるのか?毎月平均でどれぐらい残業しているのか?確認するようにしてください。
③実際に働いている人の話を聞く
実際に働いている社員と話すことで、入社後の自分をイメージすることができます。どのような経緯で入社し、どのような仕事を経て、今後どのようなことをやっていきたいのか?そのような話を実際に働いている人から聞くことは非常に重要なのです。
内定を獲得すると実際に働いている社員と面談する機会を設けてくれる会社は多く、そのような機会がなくても、お願いしたら面談をセッティングしてくれる会社がほとんどです。ただし、会社が設定してくれた面談に来る社員はほとんどが会社にフィットしている社員です。
会社にフィットしている社員と面談できるということはメリットでもありデメリットでもあります。メリットはその会社に適合する人材のタイプを見極めることができることで、デメリットは会社の良いことばかりを話す傾向にあるということです。
デメリットを解消するために、面談時には「入社する前と後で感じたギャップはあったか?」「今、会社で変えたいと思っていることはあるか?」等、あまりマイナスイメージを持たれないように直球な質問ではなく、ポジティブな印象を持たれるような質問をしながら冷静に判断するようにしてください。
④過度に期待しすぎない
内定先の企業や転職エージェントから得る情報は基本的には良いことばかりなので、情報が偏ったものになりやすく、結果として過度にその会社に期待してしまうことがあります。期待値が上がりすぎると悪いことはあっても良いことは一つもありません。
過度に期待しないためには悪い情報も収集する必要があります。と言っても、悪い情報はなかなか収集することはできません。企業の口コミ情報を掲載するVorkersやエン転職の口コミサイトなどに記載されていることを全て鵜呑みにすることはオススメできません。
実際、私が過去に所属していた会社でも、会社の社員に依頼して良いことを書かせていました。口コミサイトに記載されていることを真に受けてはいけません。では、実際にどのようにしてリアルな悪い情報を収集したらよいのかというと、
内定先の企業を紹介してくれた転職エージェントとは別のエージェントに質問するのが一番手っ取り早いのです。
エージェントに「御社から紹介された〇〇という会社以外に、△△という会社と✕✕という会社から内定を頂いているのですが、悩んでます。△△と✕✕って会社に入社するにあたっての懸念点ってご存知ですか?」と聞けば、大抵のエージェントは情報を持っているので包み隠さず教えてくれます。
こちらの記事にて、転職エージェントを上手く活用する方法について記載しているので、参照してみてください!
付き合いのある全エージェントに上記手順で確認すれば、簡単に悪い情報を収集することができるのです。そのようにして、悪い情報を収集できれば、過度な期待を抱かずに内定承諾企業を選別することができるのです。
①内定は必ず複数社からもらうこと
②条件の最終確認する
③実際に働いている人の話を聞く
④過度に期待しすぎない
上記4点は必ず確認するようにしましょう!